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日本美術に見る不安と希望

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2023年4月8日よりメトロポリタン美術館(米・ニューヨーク)で開催される特別展「日本美術に見る不安と希望 (Anxiety and Hope in Japanese Art) は、人間の不安というレンズを通して日本美術を探求する展覧会です。この展覧会では芸術と芸術品制作にまつわるヒューマンス トーリーに焦点を当て、古代の宗教彫刻や祭礼具から現代の木版画や写真まで、主にメトロポリタン美術館の名高い日本美術のコレクションから選ばれた250点以上の作品が展示されます。  

この特別展は、ミリアム&アイラ・D・ウォラック財団基金より支援を受けています。

年代とテーマ別に6つのセクションで構成される本展は、日本初期の力強い宗教的イメージから始まります。これらの神聖な作品は、それぞれ死や死生観、死後の世界への関心を示すものであり、戦争や自然災害などの不確実性に応えて制作されたものです。

続いて、中世仏教の極楽浄土、地獄、その世界の住人達のイメージ、戦争と巡礼の描写、生と死に対する禅の応答、日常生活における希望と守護の像の役割などを見ていきます。最後のセクションでは、近代の木版画、衣服、写真などを期間毎に展示替えし、本展の共通テーマを探ります。 

この展覧会では、The Metが所蔵する貴重な絵巻物2点を展示します。「観世音菩薩普門品」は、現在知られている最古の妙法蓮華経第二十五の絵巻であり、また、「北野天神縁起絵巻」(5巻)は、復讐心に燃える北野天神の縁起を描いたものです。近代日本屏風絵の傑作「保元平治合戦図屏風」 は、戦乱と喪失を鮮烈に描いた作品です。また、地元ニューヨークのコレクションから厳選した作品や、狩野正信作「朱衣達磨像」をはじめ、近年The Metコレクションに加わった作品を、本展で初公開します。

「日本美術に見る不安と希望」はThe Metの日本美術アソシエイト・キュレーター、アーロン・リオが企画を担当しました。  

展覧会はThe Metの公式サイト、また FacebookInstagramTwitterでも掲載されます。

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March 29, 2023

Contact: Stella Kim
Communications@metmuseum.org

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