メランコリア I
Albrecht Dürer German
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メトロポリタン美術館は、版画の巨匠アルブレヒト・デューラーによる500枚以上の版画を収蔵しています。そのなかでも最も不可思議な作品のひとつである《メランコリアI》は、デューラー自身の精神世界を描いたものであり、ひいてはデューラーの精神的自画像でもあります。中世哲学では、人は4つの気質のいずれかに支配されると考えられていました。その中で最低とされたのが憂鬱(メランコリア)であり、鬱の気のある人は精神異常をきたす可能性が最も高いとされました。しかし同時に、ルネッサンス時代には、鬱と芸術的才能との間につながりがあると考えられていました。この作品では、メランコリアを人格化した羽の生えた人物がキャリパー(測径器)を持ち、他の器具に囲まれています。これらは芸術活動の根底にあると考えられた、中世の大学の自由七科のひとつ、幾何学と関連するものです。
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